次は、ベータマイナス(β-)線について勉強していこう!
えっ、博士、ベータ(β)線っていくつかあるんですか?
ベータマイナス(β-)線とベータプラス(β+)線があるんだ。ここでは、まずベータマイナス(β-)線について説明していくね。
原子の中には陽子と中性子があって、これらが原子核を作っているんだ。でも、陽子よりも中性子が多すぎてしまうと、原子核が不安定になってしまうんだよ。
原子核が不安定になると、どうなってしまうんですか?
原子核の中の中性子が陽子と電子に変わって、この電子が原子核から飛び出してしまうんだ。この飛び出した電子のことを「ベータマイナス(β-)粒子」と呼ぶんだよ。
そしてこの電子の粒子線をベータマイナス(β-)線というよ。
なるほど! 原子核を飛び出した電子が、ベータマイナス(β-)線になるんですね。
うん。そして、このベータマイナス(β-)線を出す原子核の変化を、「ベータマイナス(β-)壊変」と呼ぶんだ。
ベータマイナス(β-)線を出す壊変だから「ベータマイナス(β-)壊変」と呼ぶんですね。
次は、ベータマイナス(β-)粒子の電荷について見ていこうか。
電荷ってなんですか?
電荷は、物が持っている電気の力のことだよ。
ベータマイナス(β-)粒子は1個の電子と同じ電荷を持っているんだけど、電子は負の電荷をもっているから、β-粒子は「-e」と表すことができるんだ。
さて次は、ベータプラス(β+)線について勉強していくよ。
ベータマイナス(β-)線のときは中性子が多すぎて原子核が不安定になっていたよね。今度はその逆で、ベータプラス(β+)線のときは、陽子が多すぎて原子核が不安定になっているんだ。
ベータマイナス(β-)線のときは、多すぎる中性子が陽子と電子に変わっていましたよね。
じゃあ、今度は多すぎる陽子が変化するんですか?
うん。今度は、陽子が中性子と陽電子に変化して、陽電子が原子核を飛び出していくんだ。
この飛び出した陽電子のことを、「ベータプラス(β+)粒子」と呼ぶんだよ。
飛び出した陽電子がベータプラス(β+)線になるんですね!
ベータプラス(β+)線が発生した時の壊変をなんて呼ぶか分かるかな?
ベータプラス(β+)壊変ですか?
その通りだよ!