放射線を受けると、体にどんな影響がありますか?
「身体的影響」と「遺伝性影響」の2つがあるんだ。「身体的影響」は被ばくをした人の体に影響が出るもの、「遺伝性影響」は被ばくをした人のこどもたちに影響が出るものを言うよ。
放射線の影響が出るのが、放射線を受けた本人なのか、その人の子孫なのかで呼び方が違うんですね。
身体的影響は、さらに大きく2つに分けられるよ。すぐに症状が出るものを「急性障害」と呼んでいて、被ばく後48時間以内に吐き気や頭痛、下痢や発熱といった症状が現れるんだ。それから数週間後に、脱毛や口内炎、皮ふが赤くなったりするんだよ。
すぐに症状が出ないこともあるんですか?
うん。それがもう一つの身体的影響で、「晩発障害」と呼ばれるものだよ。この晩発障害は、放射線を受けてから数か月後や数年後に病気になるものを言うんだ。白内障という目の病気になったり、がんになりやすくなったりするんだよ。
放射線を受けると、必ず病気になるんですか?
必ずとも言い切れないんだ。
これ以上なら影響が現れる、これ以下なら影響が出ないというしきい線量という数値があるんだけど、急性障害の場合や晩発障害のうち白内障などの病気の場合は、このしきい線量を超えたときに症状が出るんだ。これを、「確定的影響」と呼ぶよ。
逆に言うと、確定的影響のときは、しきい線量を超えないと症状が出ないんですね。
うん。そして、このしきい線量がないと仮定されていて、放射線を受ける量が増えると症状の出る確率が高くなるものもあるんだ。これを「確率的影響」とと呼んでいるよ。
この場合は必ず症状が出るわけじゃないんですね。どんな症状が出ることがあるんですか?
がんになるリスクが高くなったり、放射線を受けた人のこどもたちに影響が出るかもしれないとされているよ。