放射線には、いくつか特別な性質があるという話はしたね。その特別な性質の中でも、今回は電離について詳しく説明していくね。
電離っていうのは、原子にエネルギーが与えられて、原子の中にいる電子が外に飛び出しちゃうことなんだ。その結果、原子はプラスの電気をもった「陽イオン」と、自由に動ける電子に分かれちゃうんだよ。
じゃあ、電離作用っていうのは、そのエネルギーを与え分離させる働きのことですね?
その通り!電離作用は、原子を電離させるためにエネルギーを与える働きのことを言うんだよ。でも、この電離作用は2つに分けられるんだ。
2つ?それは何ですか?
1つ目は「直接電離」、もう1つは「間接電離」だよ。まず、直接電離から説明するね。
はい、お願いします!
直接電離っていうのは、エネルギーを持った「荷電粒子」(電気を持っている粒子)が、直接原子や分子にぶつかって、その原子や分子から電子を弾き飛ばすことだよ。これで原子が陽イオンと自由電子に分かれるんだ。
なるほど!じゃあ、間接電離はどうですか?
間接電離はちょっと違うんだ。ここでは、荷電粒子じゃない「中性粒子」や「電磁波」が原子や分子と反応して、新たに荷電粒子(電気を持った粒子)が発生するんだ。
そして、その荷電粒子がさらに別の原子をぶつけて、直接的に電離を起こすんだよ。だから、間接的に電離を引き起こすってわけなんだ。
えーと、つまり間接電離は、最初は荷電粒子じゃないものが関わって、最終的に荷電粒子が電離を引き起こすってことですね?
その通り!間接電離は、最初に反応するものが電気を持っていないから、ちょっと間接的に電離を引き起こすんだ。例えば、放射線の中にある「ガンマ(γ)線」や「中性子線」なんかが間接電離を引き起こすことがあるんだよ。
わかりました!直接電離はエネルギーを持った粒子が直接ぶつかって、間接電離は最初にぶつかるのがエネルギーを持っていない粒子で、その後に荷電粒子が出てきて電離を引き起こすんですね!
そうだね!よく覚えたね。電離の仕組みを知ると、放射線がどう働くかがわかりやすくなるよ。