放射線の性質
放射線には、いくつか特別な性質があるという話はしたね。その特別な性質の中でも、今回は透過について詳しく説明していくね。
透過は、放射線が物質を通り抜ける性質のことでしたよね。
そうなんだ。この透過の性質は、アルファ(α)線やベータ(β)線といった放射線の種類ごとに、通り抜けられるものが違うんだよ。
それぞれの違いを教えてください！
透過力
うん。まずはアルファ(α)線から説明するね。
アルファ(α)線はとても重い粒子だから、空気の中でも数センチしか進めないんだ。そして、紙や皮膚で簡単に止まってしまうんだよ。
なるほど。アルファ(α)線は透過力が弱いってことですか？
その通り！ 次に、ベータ(β)線について説明するね。
ベータ(β)線はアルファ(α)線よりも軽い粒子で、紙を通り抜けることはできるけど、薄いアルミニウムやプラスチックでは止まっちゃうんだ。
ベータ(β)線はアルファ(α)線よりも透過力が強いんですね。
次は、ガンマ(γ)線だね。ガンマ(γ)線はとても強いエネルギーを持っているんだ。
どのくらい透過力が強いんですか？
ガンマ(γ)線は鉛や鉄、コンクリートの厚い板を使わないと、なかなか止まらないんだよ。
そんなに強いんですね！
そして、このガンマ(γ)線と同じで、鉛や鉄などを使わないとなかなか止まらないのが、エックス(X)線だよ。
ガンマ(γ)線とエックス(X)線は透過力がとても強いんですね。
そして最後に、中性子線についてなんだけど。
中性子線も透過力が強いんだ。この中性子線は、水素を多く含む物質で止めることができるんだよ。
水素が多い物質って、水でもいいんですか？
うん。水やコンクリートで止めることができるよ。
こんな風に、放射線の種類にあわせて材料や厚みを選ぶことで、放射線を遮ることができるんだ。
まとめ
