次に、アルファ(α)線について説明していくよ。
大きな質量を持つ原子では、原子核が不安定になってしまうんだ。この不安定な原子核から、陽子2個と中性子2個の粒子の、ヘリウムの原子核が飛び出していくんだ。このことをアルファ(α)壊変と呼んでいるよ。
ヘリウムの原子核が飛び出した後、不安定だった元の原子は安定するんですか?
うん。元の原子核は質量が減って、安定した新しい元素になるんだ。
そして、アルファ(α)壊変によって飛び出したヘリウムの原子核をアルファ(α)粒子と呼んでいるんだ。この粒子による粒子線を、アルファ(α)線と呼ぶんだよ。
アルファ壊変で、結果的にアルファ(α)線が発生するんですね。
このアルファ(α)粒子には、陽子が2個入っているから、正の電荷をもっているんだよ。
陽子1個の電荷のことを「電気素量e」という数値で示すんだけど、アルファ(α)粒子には陽子が2個入っているから、電荷は「+2e」で示されるんだよ。
そうなんですね。たしか、ガンマ(γ)線やエックス(X)線は電荷をもっていませんでしたよね。
よく覚えていたね。アルファ(α)粒子は電荷を持っているから、物質と反応しやすいんだよ!