ここでは、エックス(X)線について詳しく考えてみよう!
エックス(X)線は電磁波でしたよね。
よく覚えていたね。このエックス(X)線は、レントゲン撮影に使われる放射線なんだよ。
そう聞くととても身近に感じますね。
このエックス(X)線には二種類あって、それぞれ、「特性エックス(X)線」と「制動エックス(X)線」というんだ。
この二つにはどんな違いがあるんですか?
発生の仕組みなどに違いがあるんだよ。まず、特性エックス(X)線について説明していくね。
特性エックス(X)線は、原子の内部で発生するエックス(X)線のことなんだ。原子の構造は知っているかな?
原子の中心に原子核という核があって、その周りを電子が回っていますよね。
その通り。電子が原子核の周りを特定のエネルギー状態で回る範囲や位置のことを軌道というのだけど、電子が外側の軌道から内側の軌道に移動すると、エネルギーの差ができるんだ。
このエネルギーの差が、特性エックス(X)線として外に出ていくんだよ。
なるほど! 外に出ていく余分なエネルギーが、特性エックス(X)線なんですね。
次に、制動エックス(X)線について説明するよ。 制動エックス(X)線は、自由に動いている電子が、原子核の近くに行ったときに発生するんだ。
電子が原子核の近くに行くだけで、発生するんですか?
原子核は強い力を持っているから、電子が近くを通るとクーロン力と呼ばれる力で引っ張られてしまうんだ。
引っ張られることで、自由に動いていた電子がブレーキをかけられたみたいにエネルギーを失ってしまうんだよ。そして、このとき失われたエネルギーが制動エックス(X)線として放出されるんだ。
それぞれ発生する仕組みが違うんですね。
エックス(X)線は電荷という、物質が持っている電気の性質を持っていないんだ。だから、エックス(X)線が物質に当たると、物質の中の原子が影響を受けるんだよ。
この現象を利用して、レントゲン撮影を行っているんだ。