中性子線について話していこうと思うんだけど、中性子のことは覚えているかな?
中性子は、陽子と一緒に原子核を作っているんでしたよね。
よく覚えていたね。中性子線は、その中性子が放出されたものなんだよ。
そして、この中性子の放出にはいくつか種類があるんだ。
どんな放出があるんですか?
まず、「核分裂」と呼ばれる放出の種類について説明するね。
中性子が大きな原子核にぶつかると、原子核が2つ以上の小さな破片に分かれることがあるんだ。このときに、中性子も2、3個出てくるんだよ。
なるほど! 中性子がぶつかって原子核が分かれるから、「核分裂」と呼ぶんですね。
あと、原子核によっては、中性子がぶつからなくても自分で分裂してしまうことがあるんだ。この分裂を、「自発核分裂」と呼んでいるよ。
ひとりでに分裂してしまうなんてふしぎですね!
次は、原子核反応について説明していくよ。
原子核反応っていうのは、原子核にアルファ(α)線などの粒子がぶつかったときに起こる反応のことなんだ。このとき、原子核が変化したり、ぶつかった粒子が吸収されたり、中性子や陽子が飛び出したりといった反応が起きるんだよ。
あれっ、なんだか中性子線のときに学んだ核分裂と似ていますね。
いいところに気付いたね! 核分裂も原子核反応のひとつなんだよ。
そうだったんですね!
たとえば、アルファ(α)線が原子核にぶつかったとするね。
アルファ(α)線が原子核にぶつかると、中性子や陽子が飛び出すんだ。そのときの反応によって、反応の呼び方が変わるんだ。
どんな呼び方があるんですか?
アルファ(α)線が原子核にぶつかって、中性子が1つ飛び出す反応を、(α,n)反応と呼ぶよ。
そして、中性子が2つ飛び出したときは、(α、2n)反応と呼ぶんだ。
nは中性子を表しているんですね。
うん。そして、陽子が1つ飛び出したときは、(α,p)反応と呼んでいるんだ。
なるほど、原子核反応にはいろんな種類があるんですね!