みなさんは「原子」と聞いて、何をイメージするかな?
うーん、……思いつきません。
そうだね、なかなか思いつかないかもしれないね。実は、私たちの周りにあるすべてのものは、原子というとても小さな粒の結びつきによってできているんだよ。
すべてのもの、って、例えば紙とか、机とかもですか?
そう。それ以外の、みなさんの体や洋服、食べもの、空気もすべて原子でできているんだ。
体も! 原子ってそんなに身近なものなんですね。
うん。この原子は、「陽子」と「中性子」からできている「原子核」という部分と、そのまわりをまわっている「電子」という小さな粒からできているよ。
小さいって、どのくらいの大きさなんですか?
電子は1センチメートルの約1億分の1の大きさで、原子核は1センチメートルの約1兆分の1の大きさなんだ。
そして、この原子の性質は、原子の中にある「陽子」の数によって決まるんだよ。さまざまな種類の原子をまとめて「元素」と呼んでいて、約110種類の元素があるんだ。
110種類も! 例えばどんなものがあるんですか?
みんなが知っているものもたくさんあるよ。たとえば、水素や酸素、鉄、金なども元素のひとつなんだ。
そして、元素が同じでも、中性子の数が違う原子もあるんだ。これらを「同位体」と呼んでいて、この同位体を使っていろんなことを調べたりしているんだよ。
同位体を使うとどんなことができるんですか?
昔の植物や動物の年代を調べたり、病気の診断や治療に使ったり、地球の気候や環境の変化を調べたりすることに役立てられているんだよ。