1986年4月26日、旧ソビエト連邦(現ウクライナ)のチョルノービリ原子力発電所4号機で発生した事故です。この事故は、外部電源が喪失した場合の電源供給能力を調べる試験を実施していたときに生じたもので、原子炉の出力が急上昇した結果、原子炉及び原子炉建屋が破壊されました。これにより大量の放射性物質が周辺に放出され、さらに高温の炉材の飛散により火災が発生しました。運転員と消防隊員の計31名が放射線被ばくにより死亡し、また、発電所周囲30kmの約13万5千人の住民等が避難し移住することとなりました。この事故は、国際原子力事象評価尺度(INES)でレベル7(深刻な事故)と評価されています。

https://www.ene100.jp/zumen/5-7-1(参照 2024-10-01).
この事故で大量の放射性物質が環境中に放出され、多くの作業員と周辺住民が放射線被ばくを受けました。この事故で放出された放射性物質は、日本にも飛来しました。

https://www.envraddb.go.jp/special/graph
このチョルノービリ原子力発電所事故以降、放射化学分析法によるCs-137(セシウム137)の分析結果には、数年間にわたり、同事故に由来する少量のCs-134(セシウム134)が含まれる場合がありました。
放射性核種 | 1996年推定値b | 半減期 |
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134Cs | 44-48 | 2.06年 |
136Cs | 36 | 13.1日 |
137Cs | 74-85 | 30.04年 |
b:1986年4月26日時点に崩壊補正 (UNSCEAR 2000年報告書よりセシウムだけを抜粋) |