1999年9月30日、茨城県東海村にある株式会社ジェー・シー・オー(JCO)で、核燃料の製造に用いる硝酸ウラニル溶液と呼ばれる液体の製造中に発生した臨界事故です。臨界事故が発生した直接的な原因は通常とは異なる手順で作業を行ってしまったことによるものですが、その背景としては、作業の安全性よりも効率性を優先してしまったこと、社員への安全教育が徹底していなかったこと、安全面のチェック体制が甘かったことが挙げられます。臨界状態停止までは約20時間かかり、3名の従業員が重篤な放射線被ばくを受け、うち2名が亡くなったほか、この従業員を搬送した消防署員、臨界状態の停止作業に従事した社員、事業所周辺の住民等600名以上が被ばく(※)しました。また、事故当初は現場から半径350m圏内の住民約150名に避難要請が行われましたが、臨界事故終息の見通しが立たなかったことから、安全のため半径10km圏内の住民約31万人に屋内退避要請が行われました。
(※)これらの方々の実測及び推定による被ばく線量の最高値は100mSvで、確定的影響が発生するレベルより低く、確率的影響を検出することができないレベルでした。

https://www.pref.ibaraki.jp/seikatsukankyo/gentai/kikaku/nuclear/koho/01.html.(参照2024-10-01)