H-3(トリチウム)の分析方法:液体シンチレーション測定法(LSC)
H-3(トリチウム)は、水素の放射性同位体であるため、その多くは水の状態で環境中に存在します。例えば、水道水の中にもH-3(トリチウム)は含まれています。日本の水道水は一見すると透明ですが、分析上の妨害物質(H-3(トリチウム)以外の放射性核種、塩類、有機物など)が含まれているため、前処理を行い、H-3(トリチウム)を含む水だけの状態にする必要があります。前処理としては蒸留を行います。蒸留して得られた水をシンチレータというベータ(β)線のエネルギーを光に変える薬品と混ぜ合わせ、測定試料とします。そして、その測定試料から発せられる光を液体シンチレーションカウンタという測定器で測定します。
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前処理(リービッヒ冷却管を用いた蒸留による分離)
※左の容器に試料を入れて、加熱するとH-3(トリチウム)を含む水は水蒸気となる。中央の冷却管にて水蒸気を冷却し右の容器に水として回収する。妨害物質は左の容器に残るため、H-3(トリチウム)を含む水を分離できる。 -
測定試料
※シンチレータ混合後 -
液体シンチレーションカウンタ