H-3(トリチウム)の分析方法:液体シンチレーション測定法(LSC)
H-3(トリチウム)は、水素の放射性同位体であるため、その多くは水の状態で環境中に存在します。例えば、水道水の中にもH-3(トリチウム)は含まれています。日本の水道水は一見すると透明ですが、分析上の妨害物質(H-3(トリチウム)以外の放射性核種、塩類、有機物など)が含まれているため、前処理を行い、H-3(トリチウム)を含む水だけの状態にする必要があります。前処理としては蒸留を行います。蒸留して得られた水をシンチレータというベータ(β)線のエネルギーを光に変える薬品と混ぜ合わせ、測定試料とします。そして、その測定試料から発せられる光を液体シンチレーションカウンタという測定器で測定します。
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前処理(リービッヒ冷却管を用いた蒸留による分離)
※左の容器に試料を入れて、加熱するとH-3(トリチウム)を含む水は水蒸気となる。中央の冷却管にて水蒸気を冷却し右の容器に水として回収する。妨害物質は左の容器に残るため、H-3(トリチウム)を含む水を分離できる。 -
測定試料
※シンチレータ混合後 -
液体シンチレーションカウンタ
Sr-90(ストロンチウム90)の分析方法:イオン交換法
Sr-90(ストロンチウム90)は、U(ウラン)などの核分裂によって生成されるSr(ストロンチウム)の放射性同位体の一つです。化学的性質がCa(カルシウム)によく似ているため、環境から生物の骨へと濃縮されやすい特徴があります。
Sr-90(ストロンチウム90)(半減期約29年)はベータ(β)線のみを放出し、検出が難しいため、子孫核種であるY-90(イットリウム90)(半減期約64時間)を測定し、Sr-90(ストロンチウム90)の放射能濃度を求めます。
Sr-90(ストロンチウム90)の主な分析方法のひとつにイオン交換法があります。イオン交換基をもつ不溶性の合成樹脂を用いた化学分離方法で、試料溶液の化学的性質により、その溶液中の金属イオンがイオン交換樹脂に強く付いたり、離れたりする性質を利用しています。この方法により、試料中からSr(ストロンチウム)を分離・精製し、Sr-90(ストロンチウム90)の子孫核種であるY-90(イットリウム90)の生成を待った後、Y-90(イットリウム90)を分離し測定試料とします。低バックグラウンドベータ線測定装置でY-90(イットリウム90)のベータ(β)線を測定し、Sr-90(ストロンチウム90)の放射能濃度を求めます。
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海水試料からのストロンチウム
予備濃縮装置 -
沈殿法(シュウ塩酸)による分離
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イオン交換法による分離
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測定試料
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低バックグラウンドベータ線測定装置





